たくさんの投稿、ありがとうございました。第122回 短歌ポスト入選・佳作に選ばれた作品をご紹介いたします。

大瀧 保 選

入選

測量の仕事を終えて寛げば
降る雨音はワルツの調べ
山形県
柏屋 敏秋 さん
話しだすと苦労話になる母は
百五歳になりても話す
島根県
森脇 すえこ さん
はるばると茂吉に会ひに来てみれば
五月眩しさ無人駅なり
茨城県
林 三枝子 さん

佳作

じゃがいもを食べる幼子夢に見て
二列植えるを四列となす
福岡県
独活山 強実 さん
量り売りいまもつづけて乾物屋
ビルの谷間に昭和はありて
愛知県
斉藤 浩美 さん
父母の墓子の勝手にて引き払ひ
故郷の空遠くなりゆく
奈良県
堀ノ内 和夫 さん
岩肌につく苔群は青々と
水の流れはその中に消ゆ
山形県
吉田 恒夫 さん
妻逝きて秋は悲しい時間です
遠い昔の古い味です
山形県
横田 光雄 さん