こちらの特別展は終了しました。
斎藤茂吉は、その生涯において約一万八千首の短歌を作りました。そのうち鳥」を詠みこんだ歌は約七百六十首、鳥の種類は六十種以上にのぼります。
本展では、茂吉が短歌に詠みこんだ「鳥」をモチーフにした折紙作品を展示いたします。一枚の和紙から複雑に折りだされた、今にも動き出しそうな鳥たち。その愛らしい仕草や表情を楽しんでいただくとともに、鳥に親しんだ茂吉の一面に触れていただければ幸いです。
主な展示資料
- アカショウビン この山にあやしきこゑに啼く鳥は嘴赤し飛びゆける見ゆ
- オオタカ 谷あひのひらけむとする時しもあれ鷹とびたるにこゑをあげたり
- カルガモ 最上川ひろしとおもふ淀の上に鴨ぞうかべるあひつらなめて
- ツグミ きさらぎにならば鶫も来むといふ桑の木はらに雪はつもりぬ
- ツバメ のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり
- ヒヨコ あぶなくも覚束なけれ黄いろなる円きうぶ毛が歩みてゐたり
- フクロウ 梟のこゑを夜ごとに聞きながら「聴禽書屋」にしばしば目ざむ
- マガン 春の雲かたよりゆきし昼つかたとほき真菰に雁しづまりぬ
- ムクドリ 椋鳥は群れて戯るるごとく啼く桜桃の花しろく咲くころ
作品協力(制作・提供)宮永智悠(みやなが・ともひろ)
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